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Channel: スポーツナビ+ タグ:チームヴィーナス
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夏休み特別企画 巨人ファンがパリーグの試合を観に行くと?

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全盛期の江川のようなピッチングだな、東京ドームの三塁側内野スタンドからテンポ良く投げるダルビッシュを見ていてそう思った。様々な意見はあるだろうが、それぞれの時代を代表する投手を定義すると、 80年代が江川卓、90年代野茂英雄、00年代松坂大輔、そして10年代はダルビッシュの時代と言えるのではないだろうか。野茂や松坂は荒れ球で(それが彼らの魅力でもあるのだが)、四死球も多く自然と試合時間も長くなる。それとは対照的に昨日の試合時間は2時間23分。スポーツニュースでも繰り返し映像が流れたが、最後の打者高須に対して投じたストレートは151キロを計測した。全盛期の江川が投げる試合は、試合テンポが早くテレビ中継をする局側も苦労したと聞く。夜8時過ぎには試合が終わってしまうので、中継終了までの残り1時間近くの番組編成をどうするのか、毎回その対応に頭を悩ませていたらしい。江川の投球は少ない球数でテンポよく打者を打ち取り、最終回になると再びギアを入れ直し、打者の手元でホップすると言われた150キロ前後の速球で三振を狙い試合を締める。まさに昨日のダルビッシュのピッチングスタイルである。 24歳にしてこの完成度の高さはプロ野球史上でも稀だろう。イチローの日本時代と同じく、対戦する打者にも同レベルのライバル選手は見当たらず、もはや日本球界でやり残したことはないというレベルにまで上り詰めてしまったように思えるので、このシーズンオフの動向が注目される。それにしても昨夜の東京ドームの盛り上がりは凄まじく、台風が接近する中で、北海道へ移転した2004年以降最多の4万4826人の観衆が、ダルビッシュと田中の「日本最強投手決定戦」を見守った。夏休みに突入した子供連れのファミリー層や、ダルビッシュのレプリカユニフォームを着た女性ファン2人組の姿も目立ち、巨人戦でいまだによく目にする一昔前の野球好きの酔っぱらった親父はほとんどいない。両チームの熱心なファンの方には何を今更と怒られそうだが、「時代は変わったな」とパリーグ新時代の到来を実感させる一戦になった。私は今回の日ハムvs楽天戦を19.20日の両日とも東京ドームで観戦したのだが、昨夜の試合とは対照的に、19日の試合は古き良き時代のパリーグを彷彿とさせる雰囲気で、二階席は空席が目立ち、観衆も2万2563人と20日の約半数。東京本拠地時代の熱心なオールド日ハムファンの姿も数多く見られ、大阪にいた頃によく見た大阪ドームでの近鉄戦を思い出した。試合後には日ハム選手達のサインボール投げ入れサービスもあり、選手とファンの距離も近く20日の満員御礼のドームとはまた違った楽しみ方があった。この2日間の観客動員数は計6万7389人(1試合平均3万3695人)。今回の日本ハムの東京ドーム主催試合は結果的に大成功と言えるだろう。話題の斉藤佑樹だけではなく、圧倒的な存在感を放ち4番に定着しつつある中田翔、派手な風貌と抜群の身体能力であの新庄と比較される陽岱鋼などの若いスター選手の出現もあり、今後も日ハム人気はしばらく続くのではないだろうか。少なくとも例えダルビッシュがポスティングでメジャー移籍しようとも、イチローが去ったオリックスのような急激なチーム弱体化はないと予測される。ダルビッシュ、中田、陽とチームの核となる素材はドラフト1位で獲得し、堅実な中堅とベテラン選手で脇を固め、安価の外国人選手を上手く使う。育成枠は使用せず二軍で即試合に出られる選手しか獲らないという編成の姿勢は一貫している。近鉄消滅に端を発する球界再編が叫ばれてから早7年。各チームがそれぞれの新システムを模索する中、日ハムのチーム経営論が現代のプロ野球界において頭一つ抜け出しつつあるのかもしれない。「プロ野球死亡遊戯」としては、イニング間にパフォーマンスを見せるファイターズガールの方向性が、ジャイアンツチームヴィーナスの玄人感と、スワローズウィングスの素人感の中間に位置することも見逃せない。まさに日ハムが狙うファンターゲット層が、野球玄人でも野球素人でもないライトユーザー層だと、彼女達の太股を眺めながら実感した瞬間であった。チアガールを見れば、その球団の方向性が見えてくる。野球観戦の隠れた法則である。 See you baseball freak・・・

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